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ヤジロベー(3)

唯一の臆病者、ヤジロベーという存在



ドラゴンボールに登場する戦士の中で、ヤジロベーはとてもおもしろい存在です。
ある意味特殊です。

クリリン、ヤムチャ、天津飯など、サイヤ人襲来の時に集まった孫悟空の仲間達は、
みんなとても勇気があります。

自分よりはるかに強い戦士を相手に、
死を覚悟で戦いを挑む、心の強い戦士達です。

そんな孫悟空の仲間達の中で、ヤジロベーは、唯一、臆病者です。
口癖は、「お前らはアホだが。俺は自分の命が一番大事だ〜」です。

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※人造人間との戦いの前に、仙豆(せんず)だけ届けて、帰るヤジロベー。


漫画の中では、非常に尊敬されないキャラクターとしての位置づけです。
まぁ〜、はっきり言って、孫悟空の仲間としてふさわしくないキャラです。

でも、ヤジロベーって私たち普通の人間に一番近い感覚の持ち主だと私は思います。

私たちの多くは、ヤジロベーであり、ヤジロベーのような考え方は、
ごく一般的な考え方だと思うのです。

だれもが、自分より強い相手に死を覚悟して、向かっていけるわけではありません。
たとえそれが地球のピンチだとしても、
誰かが自分の代わりに戦ってくれるのを待つのが普通の感覚ではないでしょうか?

ヤジロベーやウーロンなどの臆病者がいなければ、
それは私たちの感覚とはあまりにも現実離れしてしまい、
日常とはリンクしない世界観になります。

そうすると、読者は誰もストーリーに自分を重ねることができなかったでしょう。
それにいかに孫悟空達が勇敢であるかも、際立たなかったと思います。

彼が登場するピッコロ大魔王編からは、サイヤ人、フリーザ、セル、魔人ブウと、
いつも地球の危機になるほどの出来事が起こったのも、
一般的なスタンダードな感覚をヤジロベーに代弁させる意味があったからだと思います。

それが物語をよりリアルに感じるためのものでもあったはずです。




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