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ヤジロベー(3)

ヤジロベーはなぜ最後までカリン塔に住んでいたのか



とても臆病者であるヤジロベーにとって、孫悟空たちとの出会いは、
うれしいようで、非常に辛いものだったに違いありません。

孫悟空と出会い、数々の地球のピンチを最前線で目の当たりにすることにより、
ヤジロベーは、孫悟空達が生きる世界が真実だと知ってしまいました。

彼は中途半端に超人的な力を持っていたがために、
孫悟空たちが地球上で1番強いことを体で知っています。

最後の最後まで「トリックだぁ〜!!」といって、
浮世で英雄気取りができた真実を知らないサタンの方がある意味、
よっぽど幸せだったでしょう。

そして、それを知っているがために、完全に気楽になりきれないヤジロベーは、
真実と恐怖の間で心がいつも揺れ動くのです。 

命を張って地球のために戦っている孫悟空を助けたい!
でも、命はおしいし、怖い。

この感情の板ばさみの中で、
孫悟空たちとつかずはなれずの関係を保っていきます。

yajirobe1.JPG  ※何だかんだ言って、いつも真実を覗きにくるヤジロベー。

まさにヤジロベーです。(笑)
素晴らしいネーミングです。

この微妙な立ち位置を象徴するコマとして、
ヤジロベーがカリン様のもとで暮らしていることからもわかります。
yajirobe5.JPG
※セルを倒して、それぞれの帰路につくシーン。やはりヤジロベーは、カリン塔にいる。

カリン様は、下界と天界の架け橋にいるポジションです。
天界のように最前線で戦う気はないけど、孫悟空達の状況も把握しておきたい。
というヤジロベーの気持ちが、彼をカリン様のもとを離れなかった理由だと思います。

地球のピンチなんか見て見ないふりをしよう。と割り切れるほど、
ヤジロベーは勇気がなかったのではなく、ちゃんと真実と向かい合っていたのです。

  yajirobe4.JPG
※「セルゲームに出てくれ」と孫悟空から要請されると思って、本気でびびっているヤジロベー。
誰も期待してないのに。。。。でも、これは彼が当事者意識を持っていた何よりの証拠。


だからこそ、いたるところでヤジロベーは、孫悟空の危機を助けます。
彼の登場は、ほとんど仙豆(せんず)を孫悟空達のところに持っていくことです。

yajirobe.JPG

これは、自分には戦う勇気はないけど、なんとかできることはしたい。
というヤジロベーなりの勇気だったのです。

そんなヤジロベーが、唯一大活躍したシーン。

  yajirobe2.JPG

べジータのしっぽを切ったときは、本当に拍手を送ってあげたかったです。(笑)

死をも恐れずにむかっていける、孫悟空や天津飯は、もちろんすごいし、かっこいい。
でも誰もがそんなに強くない。

めちゃくちゃ臆病でも、少ない勇気をふるいおこして、自分にできることをする。
真実から目を背けなかったヤジロベーも、かっこいいと私は思うのです。




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