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クリリン・ヤムチャ(2)

髪を伸ばすクリリン、スーツを着るヤムチャ



物語も魔人ブウ編にもなると、Z戦士のそれぞれの生き方が少し変わってきます。
クリリンは、18号と結婚し、子供ができ家庭を持ちます。そして、なんと長髪になります。
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ヤムチャはというと、一般の女の子と付き合い、
ブランドのスーツを着て登場しています。

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※クリリンはかろうじて天下一武道会に出場しますが、ヤムチャは全く出る気なし。


一方、天津飯はというと、相変わらず道着を着て、武者修行をしています。
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※魔人ブウと戦った唯一の地球人戦士(サタンは除きます。)


クリリンとヤムチャ、そして天津飯。
非常に対照的な生き方になっていくわけです。

ドラゴンボールの1つのテーマである、
「この世で一番強い奴になる。」
という高みを目指す生き方を貫くのは、
この3人の中では、最終的には、天津飯だけになります。

魔人ブウ編でこの3人がどのような活躍をするのかですが、
クリリンはいちおう孫悟空たちに付いてはいくのですが、
ダーブラに一瞬にして石にされて終わりです。
石から戻っても、神の神殿でも全く活躍できずに終わります。

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※弱気ながらも辛うじて現場に向かうクリリン。
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※「何かありそうだ」と知りながらも、現場に向かおうともしないヤムチャ。もう応援団化してます。


ヤムチャはというと、こちらもかなり弱くなっています。
ドラゴンボールを亀仙人たちと集めるのですが、その道中で、
大きな恐竜を倒すことさえできないほどに勘をなくしています。

ヤムチャはZ戦士の中では弱いですが、
それでも界王さまのもとで修行をしているわけですから、
道着を着ていた頃のヤムチャなら、恐竜なんて余裕で倒せたはずです。
それができないというのは、おもしろい現象です。

恐らくクリリンは髪の毛を伸ばしたとき、
ヤムチャはブランドのスーツを着たときに、
既に武道家ではなくなったのでしょう。

この事実は、結構、私たちの現実でも同じではないでしょうか?

私たち人間は、より人間性を高めていくために生きていると私は思いますが、
それを途中で止めてしまった人間は、
今まで積み上げてきたものすらも失ってしまいかねない。

世の中も、時間も、常に流れていくものです。
その中で、立ち止まるということは、
停滞ではなく、落ちていくことを意味するのだと思います。

魚は上流の流れに負けないように、必死で泳いでいます。
それぐらい一生懸命上ろうとして、なんとかその場にとどまることができるのです。

孫悟空やべジータがいる高みは、非常に流れが速いです。
もちろん、クリリンやヤムチャがいた場所も、一般の市民からみると
とてつもなく流れの速い場所にいたでしょう。

しかし、その流れの速い場所にいた人間が、
いったん高みを目指すことを忘れてしまったら、
その流れの速い分だけ、落ちていくのも早いのだと思います。

一方、もう1人の地球人戦士である天津飯はというと、
 魔人ブウ編でもやはり武者修行にでています。

そして、彼は魔人ブウ編でも、孫御飯のピンチに、
かっこよく登場するシーンが与えられます。

誰もがもう彼の存在を忘れかけていたときのシーンで、彼は、登場するのです。

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当時の天津飯にとっては、もう孫悟空ははるかかなたの強さで、
とても追いつけるような状況ではなかったと思います。

しかし、彼は、修行を続けていたのです。

道着を着続けていた彼にとっては、いつも臨戦態勢だったのだと思います。
だから、あのシーンで彗星のごとく登場できたのだと思います。

さすがは、2回目の天下一武道会で孫悟空に勝った男だといえます。
一時期でも頂点に立っていた男のプライドと信念は、
やはりいつも本選出場で終わっていたクリリンやヤムチャとは違っていたのでしょう。

彼は自分のペースであくまで高みを目指して修行をしていたのです。
周りを見ると、すごい人もたくさんいるし、かなわないなという人もいる。

でも、大切なのは、しっかりと地に足をつけて、
自分のペースででも、天津飯のように歩き続けることではないでしょうか。

私は個人的にクリリンが一番好きなキャラクターでしたので、
やはり最後まで坊主でいてほしかった。。。。




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